ユルリ島は、根室市昆布盛の沖にある島で、昆布漁のために持ち込まれた馬が、人が去ったあとも島で暮らし続けた無人島とされる。1,2隣のモユルリ島とともに、国内で唯一確認されているエトピリカの繁殖地であり、1963年に北海道の天然記念物「ユルリ・モユルリ島海鳥繁殖地」に指定された。3,1
ユルリ島(ユルリトウ)

基本情報
| 名称 | |
|---|---|
| 場所 | 北海道 根室市 |
| 人口 | 0人 |
| 面積 | 1.98 km²7 |
| 最高標高 | 43 m8 |
| 座標 | 北緯 43.21229、東経 145.59724 |
| アクセス | 上陸規制あり |
位置
国土地理院国土地理院 / 海岸線:VMAP0
自然・地理
- ユルリ島は根室市昆布盛の沖約2.6 kmにあり、海岸線の大部分は30〜40 mの絶壁で、周りを岩礁に囲まれている。1面積は1.98 km²である。9環境省の鳥獣保護区の計画書は、ユルリ島を面積168 ha、周囲7.5 km、標高43 mのテーブル状の島とする。中央部の東側には約50 haの泥炭湿地があり、ミズゴケやワタスゲが優占している。島の周囲は高さ20〜40 mの海食崖である。3
- 1936年の水路誌は、「緩島(ユルリ)」を高さ43 mで四周は「険悪」とする。南角から南約560 mの礁脈上には高さ30 mの「叢岩」である「蠟燭岩」があり、西角からは水深5 mより浅い礁脈が南西へ約900 m延び、礁上には「ニツ島」と呼ぶ2つの小嶼があって、そのうち1岩は高さ14 mであるとする。101898年の水路誌も、礁脈が南西へ約830 m延び、その上に「二ッ島」と呼ぶ2つの小嶼があるとする。11この「ニツ島」は、位置から国土地理院の根室の二ッ岩に当たると考えられる(要確認)。
- ユルリ島とモユルリ島の両島とその周辺では27科47種の鳥が確認され、エトピリカとチシマウガラスの繁殖が確認されている。エトピリカは、1960年代後半にはモユルリ島周辺の洋上だけで数百羽が確認されていたが、現在は十つがい前後が残るとされる。減少の要因は、1970年代に侵入したとみられるドブネズミと、漁で目的外の生物がかかる混獲と考えられている。3
- 2017年の調査では、ユルリ島のウトウの総巣穴数は9,444巣、ケイマフリは計116羽だった。12ドブネズミは2013年から駆除が行われ、2016年に根絶が確認された。13
- ユルリ島は1963年10月18日に北海道の天然記念物に指定され、北海道自然環境保全地域にも指定されている。1また、総面積199 haの集団繁殖地の保護区である、国指定ユルリ・モユルリ鳥獣保護区に含まれる。3
島のいろいろ
アクセス
- ユルリ島には許可なく入島できない。学術調査などに限り、根室市教育委員会の許可を得て入島できる。1
年表
| 年 | 出来事 |
|---|---|
| 1898 | 『日本水路誌』第5巻が緩島と、南西の礁上の「二ッ島」を記す11 |
| 1936 | 水路誌が緩島(高さ43 m)と、周りの蠟燭岩(30 m)・ニツ島を記す10 |
| 1950頃 | 昆布や物資の運搬のため、最初の馬が島に運び込まれたとされる2 |
| 1963(昭和38)-10-18 | 北海道の天然記念物「ユルリ・モユルリ島海鳥繁殖地」に指定1 |
| 1971 | 最後の島民が島を離れたとされる2 |
| 1982(昭和57) | 国指定ユルリ・モユルリ鳥獣保護区に指定16 |
| 2006-11-03 | 所有者の高齢化を理由に、雄の馬を含む馬が島外へ運び出されたと報じられた14 |
| 2013〜2016 | ドブネズミの駆除、2016年に根絶を確認13 |
注
- 1 根室市教育委員会『道指定文化財(根室市歴史と自然の資料館)』、2021年。
- 2 岡田敦『野生の馬が暮らす無人島:北海道・ユルリ島(nippon.com)』、2026年。
- 3 環境省 釧路自然環境事務所『ユルリ・モユルリ鳥獣保護区 指定計画書』、2011年。
- 4 国土地理院『電子国土基本図(地名情報)自然地名(国土地理院ベクトルタイル提供実験 experimental_nnfpt)』、2017年。
- 5 水路部『日本水路誌 第5巻』、1898年。
- 6 永田方正『北海道蝦夷語地名解 第1-3篇』、1891年。
- 7 国土地理院『令和8年全国都道府県市区町村別面積調(4月1日時点)付3 島面積』、2026年(2026年の値)。
- 8 環境省 釧路自然環境事務所『ユルリ・モユルリ鳥獣保護区 指定計画書』、2011年(2011年の値)。
- 9 国土地理院『令和8年全国都道府県市区町村別面積調(4月1日時点)付3 島面積』、2026年、82頁。
- 10 水路部『北海道本島沿岸水路誌(書誌第3號A)』、1936年、78頁。
- 11 水路部『日本水路誌 第5巻』、1898年、48頁。
- 12 環境省自然環境局 生物多様性センター『モニタリングサイト1000 海鳥調査 平成29年度報告書』、2018年、12頁、15頁。
- 13 環境省自然環境局 生物多様性センター『モニタリングサイト1000 海鳥調査 平成29年度報告書』、2018年、17–18頁。
- 14 北海道新聞『根室沖の無人島ユルリ島で野生馬の間引き(動画)』、2006年。
- 15 永田方正『北海道蝦夷語地名解 第1-3篇』、1891年、デジタル版206コマ。
- 16 環境省『国指定鳥獣保護区一覧(令和7年11月1日現在)』、2025年。
参考文献
- 根室市教育委員会『道指定文化財(根室市歴史と自然の資料館)』根室市、2021年。
- 岡田敦『野生の馬が暮らす無人島:北海道・ユルリ島(nippon.com)』ニッポンドットコム、2026年。
- 環境省 釧路自然環境事務所『ユルリ・モユルリ鳥獣保護区 指定計画書』環境省、2011年。
- 国土地理院『電子国土基本図(地名情報)自然地名(国土地理院ベクトルタイル提供実験 experimental_nnfpt)』、2017年。
- 水路部『日本水路誌 第5巻』、1898年。
- 永田方正『北海道蝦夷語地名解 第1-3篇』北海道庁、1891年。
- 国土地理院『令和8年全国都道府県市区町村別面積調(4月1日時点)付3 島面積』、2026年。
- 水路部『北海道本島沿岸水路誌(書誌第3號A)』、1936年。
- 環境省自然環境局 生物多様性センター『モニタリングサイト1000 海鳥調査 平成29年度報告書』環境省、2018年。
- 北海道新聞『根室沖の無人島ユルリ島で野生馬の間引き(動画)』北海道新聞社、2006年。
- 環境省『国指定鳥獣保護区一覧(令和7年11月1日現在)』、2025年。
- 国土地理院『地理院タイル「全国最新写真(シームレス)」(seamlessphoto)』。