海驢島(とどじま)は、礼文島の北の端、スコトン岬(神崎)のすぐ沖にある扁平な島である。明治・昭和の水路誌は、岬との間が岩礁でふさがれた台形の島として海驢島を記し、漁期にだけ人が住む家があったとする。1,2,31936年の水路誌は、高さを43 mとする。31909年の地名辞書は、元禄郷帳に載る西蝦夷地の離島「イショコタン」がこの島ではないかとしつつ、樺太の西南岸にもトド島があるので、結論は後の論定に待つとしている。2
海驢島(トドジマ)

基本情報
| 名称 |
|
|---|---|
| 場所 | 北海道 礼文町 |
| 人口 | 不明 |
| 最高標高 | 43 m(島の頂(西部))5 |
| 座標 | 北緯 45.47683、東経 140.96779 |
| アクセス | 不明 |
位置
国土地理院国土地理院 / 海岸線:VMAP0
自然・地理
- 1936年の水路誌によれば、海驢島(トド)は、スコトン岬(神埼)の岬端から北方約1.3 kmにある扁平な島である。島頂は西部にあって高さ43 mだが、あまり「顕著」ではない。島の上には家屋数戸が見え、漁期中のみ仮住者がある。海驢島とスコトン岬の間は、岩礁でふさがれている。海驢島の南西端の地先にはミナシトマリ岩(高さ19 m)、南東端の沖には小島(高さ2.9 m)があり、前者はやや「顕著」だが、後者は海驢島と重なると識別が困難である。3さらに、スコトン岬の北方の最外岩である沖ノ礁と海驢島の間には、種島(高さ2.6 m)・平島(高さ6.5 m)などの岩の小島を指す「岩嶼」と、地ノ礁・平島出シなどの航行に危険な「険礁」がある。6
- 1898年の『日本水路誌』は、船泊湾の北西角にある神埼の北方約1.5 kmに海驢島があり、その北約3.7 kmに水深約3.6 mの一礁があって、島と礁の間には「小嶼」・岩礁が散布するとする。11909年の『大日本地名辞書 続編』は水路誌を引いて、海驢島を、湾の西角にある神崎の北方約1.3 kmに位置する台形地の一島とし、島頂の高さは約43 m、神崎との間は岩礁で閉塞し、島上に5〜6の家居があるが漁期中の仮住にすぎないとする。2高さは地名辞書が約43 m、1936年の水路誌が43 mとし、神崎からの距離は1898年の水路誌が約1.5 km、水路誌を引く地名辞書が約1.3 kmとする。
- 環境省は、2021年6月28日の中央環境審議会の自然公園等小委員会に、第2次点検による利尻礼文サロベツ国立公園の区域・計画の変更について説明資料を示した。この資料は、礼文島のスコトン岬とトド島から連なる岩礁を含め、一体的な景観をなす522 haの海域を公園区域の普通地域に加えて保全するとしている。7同じ資料は、利用施設の計画から「とど島園地」と「とど島係留施設」を削除するとしている。8
島のいろいろ
- 1909年の地名辞書は、島上に5〜6の家居があるが漁期中の仮住にすぎないとし、1936年の水路誌も、島上に家屋数戸があり漁期中のみ仮住者があるとする。2,3現在も人が住むかは、資料がなく不明である。
- 地名辞書は、元禄郷帳が西蝦夷地の離島の一つを「イショコタン」と呼び、和漢三才図会がレブンシリの北の一島を「イソコタン」とすることから、それがこの神崎の海驢島ではないかとする。同書は、アイヌ語の「イショ」は豊饒、「コタン」は場所の意味だとする。ただし、樺太の西南岸にもトド島があるので、後の論定に待つとしている。2
- 国土地理院の表記は「海驢島」、読みは「とどじま」である。41936年の水路誌は「海驢島(トド)」と書き、米国NGA地名辞典の表記は「海鱸島」である。3,9
年表
注
- 1 水路部『日本水路誌 第5巻』、1898年、106頁。
- 2 吉田東伍『大日本地名辞書 続編』、1909年、デジタル版133コマ。
- 3 水路部『北海道本島沿岸水路誌(書誌第3號A)』、1936年、131頁。
- 4 国土地理院『電子国土基本図(地名情報)自然地名(国土地理院ベクトルタイル提供実験 experimental_nnfpt)』、2017年。
- 5 水路部『北海道本島沿岸水路誌(書誌第3號A)』、1936年(1936年の値)。
- 6 水路部『北海道本島沿岸水路誌(書誌第3號A)』、1936年、132頁。
- 7 環境省『【説明資料】利尻礼文サロベツ国立公園の公園区域及び公園計画の変更について(第2次点検)(中央環境審議会自然環境部会 自然公園等小委員会 第44回 資料1-3)』、2021年、9頁。
- 8 環境省『【説明資料】利尻礼文サロベツ国立公園の公園区域及び公園計画の変更について(第2次点検)(中央環境審議会自然環境部会 自然公園等小委員会 第44回 資料1-3)』、2021年、22頁。
- 9 米国国家地理空間情報局(NGA)『GEOnet Names Server 地物記録(北海道の島・岩(根室振興局以外)、範囲検索 2026-10-22)』。
参考文献
- 水路部『日本水路誌 第5巻』、1898年。
- 吉田東伍『大日本地名辞書 続編』冨山房、1909年。
- 水路部『北海道本島沿岸水路誌(書誌第3號A)』、1936年。
- 国土地理院『電子国土基本図(地名情報)自然地名(国土地理院ベクトルタイル提供実験 experimental_nnfpt)』、2017年。
- 環境省『【説明資料】利尻礼文サロベツ国立公園の公園区域及び公園計画の変更について(第2次点検)(中央環境審議会自然環境部会 自然公園等小委員会 第44回 資料1-3)』、2021年。
- 米国国家地理空間情報局(NGA)『GEOnet Names Server 地物記録(北海道の島・岩(根室振興局以外)、範囲検索 2026-10-22)』。
- 国土地理院『地理院タイル「全国最新写真(シームレス)」(seamlessphoto)』。