大黒島は、1951年に国の天然記念物「大黒島海鳥繁殖地」に指定された、コシジロウミツバメの大繁殖地の島である。12014年の推定巣穴数は約41.5万で、1972〜1994年の推定値の約半分とされる。2大黒島はゼニガタアザラシの主な繁殖場所の一つでもあり、毛が生え替わる換毛期の上陸数は、2010年に263頭が数えられた。3
大黒島(ダイコクジマ)

基本情報
| 名称 |
|
|---|---|
| 場所 | 北海道 厚岸町 |
| 人口 | 不明 |
| 面積 | 1.07 km²5 |
| 最高標高 | 108 m6 |
| 座標 | 北緯 42.95437、東経 144.87287 |
| アクセス | 不明 |
位置
国土地理院国土地理院 / 海岸線:VMAP0
自然・地理
- 大黒島は、厚岸町ピリカウタの南方約1.8 kmの太平洋上にある。周囲約6.1 km、長さ1.8 km、幅250〜700 mの台形状の島で、高さ50〜80 mの海蝕崖に囲まれている。最大標高は108 mで、北端には約200 mの砂嘴が発達する。7面積は1.07 km²である。8大黒島は、根室層群のうち砂岩と頁岩が交互に重なる厚岸互層からなり、時代は上部白亜系とされる。9
- 1936年の水路誌によれば、厚岸湾口の大黒島は四周が「峻壁」で岩が多く、南端は「尖峰」で、厚岸灯台は大黒島の南端にある。大黒島と「本陸」の末広埼の間には無数の隠れた「険礁」があり、その中間に高さ32 mの「磐石の小嶼」、すなわち小島がある。10
- 天然記念物の指定時の解説は、大黒島をコシジロウミツバメ・エトピリカ・ウミウ・ケイマフリ・オオセグロカモメ・ヒメウなどの繁殖地とし、コシジロウミツバメが最も多いと記している。同じ解説によれば、コシジロウミツバメは4月下旬に渡来し、島の西端の灯台付近や中央の小川付近の草原に穴を掘って繁殖し、10月初旬に南へ去る。1
- 大門ほか(2019)によれば、2014年のコシジロウミツバメの推定巣穴数は約41.5万で、1972〜1994年の推定値の約半分であった。ウトウは約7.8万巣穴で、1986年の約10倍であった。オオセグロカモメは2014〜2018年に5〜30巣で、1982〜1994年の年3,500〜8,200つがいの5%未満に減った。集団繁殖地であるコロニーが、オジロワシによって攪乱される様子も観察されている。2
- 大黒島の周囲には、100頭を超えるゼニガタアザラシが生息・繁殖するとされる。11換毛期の最大上陸個体数は2010年が263頭、2014年が225頭で、襟裳岬と大黒島をあわせて北海道全体の約7割を占める。12
- 大黒島の台地上にはミヤマハンノキ・イタヤカエデ・ダケカンバの樹林がわずかにあるが、強風が当たるため生育は良くない。11
- 大黒島の保護の指定は二つある。一つは1972年11月1日に指定された国指定大黒島鳥獣保護区で、面積は107 ha、全域が特別保護地区である。13もう一つは厚岸霧多布昆布森国定公園の第1種特別地域で、面積は108 haである。14
島のいろいろ
年表
注
- 1 文化庁『文化遺産オンライン「大黒島海鳥繁殖地」』、1951年。
- 2 大門純平・伊藤元裕・綿貫豊「北海道大黒島における海鳥の現状(山階鳥類学雑誌 51(2))」、2019年。
- 3 ゼニガタアザラシ科学委員会『北海道におけるゼニガタアザラシの成獣個体数の推定について』、2015年、1頁。
- 4 国土地理院『電子国土基本図(地名情報)自然地名(国土地理院ベクトルタイル提供実験 experimental_nnfpt)』、2017年。
- 5 国土地理院『令和8年全国都道府県市区町村別面積調(4月1日時点)付3 島面積』、2026年(2026年の値)。
- 6 環境省『国指定大黒島鳥獣保護区 指定計画書(環境省案)』、2012年(2012年の値)。
- 7 環境省『国指定大黒島鳥獣保護区 指定計画書(環境省案)』、2012年、1頁。
- 8 国土地理院『令和8年全国都道府県市区町村別面積調(4月1日時点)付3 島面積』、2026年、82頁。
- 9 長尾捨一『5万分の1地質図幅説明書「床潭」(釧路-第49号)』、1963年、8頁。
- 10 水路部『北海道本島沿岸水路誌(書誌第3號A)』、1936年、73頁。
- 11 環境省『国指定大黒島鳥獣保護区 指定計画書(環境省案)』、2012年。
- 12 ゼニガタアザラシ科学委員会『北海道におけるゼニガタアザラシの成獣個体数の推定について』、2015年、1–2頁。
- 13 環境省『国指定鳥獣保護区一覧(令和7年11月1日現在)』、2025年。
- 14 環境省『厚岸霧多布昆布森国定公園(仮称)公園計画書(環境省案)』、8頁、10頁。
- 15 内閣『公文類聚 第十四編 明治二十三年 第六十二巻 運輸四(件名一覧)』、1890年。
- 16 内閣府 総合海洋政策推進事務局『我が国が現に保全・管理を行っている国境離島473島の一覧(令和6年8月9日時点)』、2024年。
- 17 北海道 環境生活部『厚岸霧多布昆布森国定公園』。
参考文献
- 文化庁『文化遺産オンライン「大黒島海鳥繁殖地」』、1951年。
- 大門純平・伊藤元裕・綿貫豊「北海道大黒島における海鳥の現状(山階鳥類学雑誌 51(2))」山階鳥類研究所、2019年。
- ゼニガタアザラシ科学委員会『北海道におけるゼニガタアザラシの成獣個体数の推定について』環境省北海道地方環境事務所(掲載)、2015年。
- 国土地理院『電子国土基本図(地名情報)自然地名(国土地理院ベクトルタイル提供実験 experimental_nnfpt)』、2017年。
- 国土地理院『令和8年全国都道府県市区町村別面積調(4月1日時点)付3 島面積』、2026年。
- 環境省『国指定大黒島鳥獣保護区 指定計画書(環境省案)』、2012年。
- 長尾捨一『5万分の1地質図幅説明書「床潭」(釧路-第49号)』北海道立地下資源調査所、1963年。
- 水路部『北海道本島沿岸水路誌(書誌第3號A)』、1936年。
- 環境省『国指定鳥獣保護区一覧(令和7年11月1日現在)』、2025年。
- 環境省『厚岸霧多布昆布森国定公園(仮称)公園計画書(環境省案)』。
- 内閣『公文類聚 第十四編 明治二十三年 第六十二巻 運輸四(件名一覧)』、1890年。
- 内閣府 総合海洋政策推進事務局『我が国が現に保全・管理を行っている国境離島473島の一覧(令和6年8月9日時点)』内閣府、2024年。
- 北海道 環境生活部『厚岸霧多布昆布森国定公園』北海道。
- 国土地理院『地理院タイル「全国最新写真(シームレス)」(seamlessphoto)』。